自動車の車体に使われる鉄が錆びないように、そして車をきれいに仕上げるために必要な工程が「塗装」です。
今回は、期間工の仕事の中の「塗装」に焦点を当てて解説していこうと思います。
自動車工場の塗装の仕事は機械がメインで期間工は補助
塗装の工程は何段階かに分かれていますが、色を塗る工程自体は主に機械が担当します。
人間である期間工が主に担当するのは、機械がきれいに塗装を行うための「準備」を整える部分です。
バリやゴミを取る作業
塗装に回される前の車のパーツは、「プレス」工程で形を整えられます。
このプレスの過程で出来てしまったバリ(突起物や塊)や付着しているゴミを取るのが、期間工の仕事です。
この部分がおろそかになる、とせっかく塗装をしても色がきれいに付きません。人間だからこそできる、細かい部分のチェックと言えますね。
シーリング作業
シーリングとは、材料の継ぎ目や隙間をシーラーと呼ばれる特殊な液体で塗り埋めていく作業です。
この部分がおろそかになると、雨水などが車体に入り込んでエンジントラブルなどの原因になってしまいます。
見た目というよりも安全性を確保するうえでとても大切な作業です。
人の手で行う塗装作業
機械で塗装できない特殊な部品などは、人間が直接スプレーで塗装を行います。
そのため、この作業をする時は通常の作業着の上に専用のクリーン作業着(クリーンスーツ)を着ます。
場所も、クリーンルームというホコリやチリを一切持ち込まない部屋での作業です。
塗装の仕事はきついのか?楽なのか?
塗装で手がかなり汚れる
塗装の仕事に就くと、基本的に塗料でものすごく汚れます。
作業着だけでなく、手もものすごく汚れます。そして、その汚れは洗ってもなかなか落ちません。特に、爪の間に入り込んだ塗料は落ちにくく、この辺りが気になる方だと結構きつい仕事だと感じると思います。
肉体的には組み立てラインよりも楽
一方で、肉体的な負担という点では組立ラインの仕事ほどきつくは無いです。
体力的にやや自信がない方は、多少汚れても塗装の方が楽に感じると思います。
クリーンルーム内はちょっと空気が悪いかも?
人の手で塗料を塗るクリーンルーム内では専用マスクを着用しますが、密封された空間内の作業のため、薬品の臭いなどが気になる方もいるようです。
また、専用の作業着に着替える必要もあるため、その脱ぎ着でお昼休みの時間がちょっと短くなってしまう点も、人によっては気になるかもしれませんね。
まとめ
今回は、期間工の仕事内容のうち、塗装の仕事について掘り下げてきました。
塗装と言っても必ず塗料を塗るだけでなく、機械が塗るための下準備を整える工程も多いです。