各パーツの組み立て工程が終わり車が完成すると、出荷前に入念な「完成検査」を行います。
ブレーキが利くか、ワイパーが動くか、ライトが点くか等、一台一台を検査して、全て合格したものが出荷されます。
他の期間工の仕事に比べて楽だという評判の検査員。
今回は、そんな検査員の仕事内容についてまとめていきたいと思います。
期間工の検査の仕事内容について
検査工程では、出来上がった車が各メーカーの基準を満たしているかどうかをチェックします。
- 間違った部品が使われていないか?
- 結線は正しいか?
- ブレーキが正常か?
- ライトはきちんと付くか?
- ワイパーは正常に動くか?
- 水漏れしてないか?
- 板金や塗装に不備は無いか?
これらの検索項目は全部で数百に及び、テスターや目視で車の状態の確認をします。
資格を持った検査員と持たない補助検査員が協力して、ライン工程でチェックしていきます。
検査員の仕事は楽なのか?きついのか?
結論から言うと、肉体的には非常に楽な部類に入ります。
肉体的な作業が少ないため、他の工程に比べるとはるかに体は楽です。
ですが、この工程でのミスや見落としは、車のリコールにもつながりかねない重大な事故や事件に発展しかねません。
その意味で責任はとても重く、精神的なプレッシャーは非常に大きくなります。
検査員には女性が多い
肉体的な負担が少ないという理由からか、期間工の検査員には女性が多い傾向があります。
検査員に女性が多いというより、女性の期間工の配属先が検査になりやすいと言った方が正確かもしれません。
自動車の検査員には資格は必要?
自動車を出荷する前の完成検査を行うには、資格が必要です。といっても必要なのは国家資格ではなく、各自動車メーカーが定めた認定資格です。
つまり、各メーカーから認定された有資格者のみが、「検査員」として検査の終了印を押すことが出来るのです。
資格を持たない場合は、「補助検査員」として検査業務のサポートを行います。
無資格の期間工が完成検査を行い、問題になったケースも
過去、メーカーの認定資格を持たない期間工が検査員として完成検査を行ったとして、問題になったことがありました。
実際、認定資格を得るには数か月間の時間を要するため、期間工でこの資格を持っている人はそう多くありません。そういった補助検査員に実質的な検査をさせ、検査完了のハンコを押させていたことは確かに大きな問題です。
ただし、期間工だからといって検査員になれないわけではありません。認定試験に合格すれば検査員として認定され、完成検査の仕事に就くことが可能です。
※検査員になるための認定基準は、自動車メーカーによって異なります。
検査工程へ配属を希望することはできるのか?
肉体的に楽という理由で検査工程を希望しても、場合によっては「楽をしようとしてる」というマイナスイメージを持たれてしまう可能性があります。
希望を伝えること自体は出来るので、「認定資格を取ってスペシャリストになりたい」といった前向きな理由をしっかりと伝えましょう。
また、一度認定を取ってしまえば「有資格者」として重宝されますし、他の自動車メーカーで期間工を行う際にもつぶしが効きやすいです。
まとめ
検査工程に配属される期間工の数は、それほど多くはありません。
昨今、無資格の期間工が完成検査の検査員として働いていた事が社会問題になったこともあり、完全に未経験者を配属しづらい工程になっている可能性もあります。
逆に言うと、認定資格を持っていることは大きなアドバンテージになります。
配属されたら、ぜひ完成検査員の資格取得を目指しましょう。